多肉植物の招き

半年に一度、ホームセンターにお花や野菜の苗を買いに行く。

植栽グッズ売り場の片隅に、150円のひょろひょろした鉢植えがあった。スペイン風のざらざらしたピンクの可愛い陶器に緑の茎が2本立ってた。

よくわかんなかったけど、買い物カゴに入れてしまった。ぷにゅっとしてかわいかったから。

ムーミンに出てくるニョロニョロみたいだった。

家に帰ってから思った。これって、多肉植物

さて、どうやって育てるんだろう。

とりあえず、キッチンの窓辺に置いた。

にょろにょろ伸びて、アイスの棒で、添え木した。紐で囲った。

でも、なんか違うかも。育て方間違ってる。

2か月後ぐらいに、初めてググった。

水は、余りやらなくていいらしい。

落ちた葉っぱからも、根が出るから、そこで育つ?

横に這わせることにした。砂漠とかでも、生きてる感じかな。3つの器を這った多肉は、元気だ。土がいまいちになってきたので、植え替えることにした。

這った葉っぱにも、根が出ている。

夏が終わり、思い切って独立させることに。

茶色い木のプランターに、先端部分の多肉は、並べて植えて、玄関へ。

元の部分は、新しいガラス瓶に植えて、また、キッチンの窓辺へ。

それだけで終わらず、結局、半年ぶりに、ホームセンターへ行き、庭の秋バージョンに着手して、鉢植えのお医者さんにも、なりました。

鉢植えは、外して、庭に地植え。

12月頃咲く菊の苗を植えた。

紫蘇の葉を整理したら、地中から、立派なら球根が。忘れてた。水仙かも。買った時より、立派になってた。腐葉土が、効いてたのね、と、

少し嬉しい。

昔、実家で庭にたくさん咲いてたような菊の鉢植えを色違いで三色。今を盛りに咲いてます。

玄関前に並べ、夫の実家から持ってきた火鉢に飾る。

加えて、紫色の桔梗の小鉢を見つけて、買ってきた。昔、実家のおばあちゃんの部屋の前に咲いてた。私は、風船のように膨らんだ蕾を、弾かせて遊んだりしてた。ちょっと罪悪感を感じながら、ポンと音をたてて弾ける様をワクワクしたのを思い出す。

隣の同級生の家の庭の鳳仙花も、種がはじけて面白かったことを思い出した。

桔梗の紫色。若かった母が着ていた紫色のスーツのかっこ良かったこと。

いろんなことを思い出させてくれた庭いじり。

多肉植物くん、ありがとう。

私の兄弟は知らない、私だけの実家の思い出。

桔梗の庭は、私が小学校三年生ぐらいの頃、

母の書道教室を増築する為、無くなった。

菊がたくさん植えられていたのも、その頃だった。後々、父の盆栽に占拠されて、自由の効かない庭になっていったのだった。